【証券会社のリアル!】新卒で証券会社勤務した筆者が思う入社メリット・デメリット各3選

ライフ/キャリア

こんにちは、たく(@marketing1991t1)です!

普段は値上がり期待ができる米国株を紹介していますが、今回は少し自分のキャリアを振り返り、新卒で働いた証券会社時代の事を書いていきます。

僕は新卒で約2年間証券会社のリテール営業職で働きました。

深い青を基調として赤い線がサッと入ってる会社です。

「証券会社は厳しいよ」

そう言われて入社しましたが、今思うとなかなかトホホな職場・仕事でした…

(もちろんどんな仕事も楽なものはないと思います。)

とにかく、これから金融系に進みたい学生さんや、証券会社のリアルを知りたい方に”楽しみながら”読んでもらえたら嬉しいです!

証券会社で働くメリット

めちゃくちゃ勉強できる

まず証券会社に入るととても勉強できます!

僕の新卒1年目のタイムスケジュール(平日)は

5:45~ 着替えながらモーニングサテライト
6:45~ 電車乗りながら日経新聞
7:30~ 支店に到着して為替と指数書き込み、会社が出しているレポート読み漁る
8:10~ 先輩と新聞読み合わせ
(9:00~18:00 通常業務)
20:00~23:00 資格や株の勉強

基本的に日本株は米国株の上げ下げに影響されるので、朝一番にモーサテをチェックします。

電車に乗りながら新聞を縦に1/8くらいに畳んで読みます。

大体読むのは1~3面と真ん中らへんと決まっています。(他は証券マンにとってはマンガと同じです。)

ちなみに朝7時台にスーツ姿で手ぶらに新聞だけ持っている人は金融系です。支店にいた何人かの課長はマジの手ぶらです。

これが平日のルーティンで、土日も平時は毎日3時間くらいは株・投信・保険あたりの勉強をします。

ちなみに毎週日曜日に出る「日経ヴェリタス」っていう新聞は¥550くらい?でちょい割高ですが、抜群に面白いです。

1年目でこれ読んでおけば同期と差が付きます(たぶん

2年目に一番大きい勉強と言えば「FP2級」の試験です。

これは証券会社の同期でも合格率30%くらいだったので難しいです。

ここで受かるかどうかで、やや同期内での力関係が変わってきます。

自分の支店には同期が6人いたのですが、受かったのは僕含めて2人でした。

他の同期はインストラクターと一緒に支店長に激詰めされてました。

いまTwitter見ていて「FP2級に受かりました!」って多くの方が喜んでいる姿を見ると、良い資格なんだなと思います。

他にも当時はタブレット支給がされ、会社のe-learningをけっこうやらされました。

あとは三菱UFJモルスタ証券の藤戸レポートとかはよく読めと言われていました。(https://www.sc.mufg.jp/market/report/index.html

いまは当社の証券口座がないと読めないみたいです。惜しい…!

こんな感じでほぼ毎日勉強漬けなので、必然的にいろんな知識がついていきます。

普通のサラリーマンは新聞なんて読まないので1、2年目と言えど証券マンはマーケット知識けっこうあるかなと思います。

世界最大級のオンライン学習サイトUdemy

異次元の胆力が付く

証券会社は本当にしんどいです!

詳細はデメリットの部分で書きますが、とにかく「wow!」っていう日々です。

印象的だったのは2年目の研修で銀行の同期と一緒だったのですが、日々の証券業務を彼らに伝えたら

「え…まじで? 証券ってそんな事してるの。すご!尊敬するわ!」

って何人にも言われたのを今でも覚えいています。

「ああ、自分たちがやってることってすごいんだな笑」

そう思えた瞬間でした。

立派な事をしている、というわけではなく、「そんな中でよく頑張ってるね!!」っていう労いの言葉です。

転職活動時にも、面接していただいた方に

「え、それって実話??笑」

と言われました。

最近で言うとYouTuberの宋世羅さんが動画の中で話していた証券時代の話を参考にしてもらえたらと思います。

正直野村証券は段違いの証券会社なので、逸話も段違いなのですが、でも証券会社として共通しているところがけっこうあります。

新卒で入ってしまえば(というか証券の支店営業マンで中途入社は会ったことが無い)それが当たり前の世界になるので、そのあと転職してもだいたいの仕事は乗り越えていけます。

それくらいの胆力が付きます。

給料・福利厚生に恵まれている

これは”証券会社だから”という理由ではないですね。

ごめんなさい。

ただ振り返ってみるととてもお金的には恵まれていました。

まず多くの営業マンは日本のどこかに飛ばされ、そこにある会社の寮に入ります。

この寮生活が福利厚生として自分は助かりました。

自分の時は寮は2パターンでした。

①昔ながらの集団寮
②会社の借り上げ寮

僕は①の集団寮に入りました。

8畳くらい?の部屋にベッドと勉強机、簡単な収納があるだけで、トイレ・洗濯機・風呂・食堂は共用です。

男子校のノリが好きな自分は全然イヤではなかったですが、なんせいろんなところがボロくて古いので同期の中では賛否両論ありました。

集団寮に入ったときのメリットは圧倒的にそのコスパで、いわゆる家賃として引かれていたのはたしか1万円/月だけでした。

家賃=1万円!!

水道電気などの光熱費もすべて含まれているので、細かいことを気にすることなく生活ができます。

夕飯も申告制で毎日作ってもらえます。

当時から筋トレしていたので、外でバランス良い食事するとお金がかかっていたので助かりました。

業務がしんどくても、寮に返ればたくさん食べれたのでおかげで痩せずにすみました。

夕飯は一食400円でした。

夕飯=400円!!

普通に生活していれば、家賃+食費で10万/月くらいは余裕でいってしまう社会人の方が多いと思いますので、証券会社・大企業のメリットと言えるでしょう。

(こんな感じでした)

次にお給料の部分です。

金融関係はよく言われるように景気に左右されます。

いくら個人業績が良くても、社会全体・会社全体の収益がいまいちだとすぐに賃金に影響します。

毎月の月給が影響する事はほぼないですが、ボーナスはもろに影響します。

しかしそれを差し引いても金銭的にはかなりいいと思います。

まずボーナスは夏冬の年2回です。

支店のエースの先輩に夏か冬どちらかのボーナスを教えてもらいましたが、”3本”もらっていました。

成績がいまいちな7年目くらいの先輩でも”1本”弱です。

「証券マン、すげええ…」

って思っていました。

新卒はほぼ研修が終わったくらいに夏のボーナスがもらえます。

大学上がりの何もしてない人間がそこそこの大金を頂けるので、けっこう舞い上がります。

ちなみに酔った勢いで同期が支店長にいくらもらっているか聞いて

「うーん、2000いかないくらいかなー」

だったとのことです。

自分が勤めていた支店は国内で10番くらいのサイズでした。

「支店長まで行ってもそれなら、頭打ち感あるなー」

って同期とは話していました。

こんな感じで証券会社は景気に影響されますが、ある程度若手のうちは会社からの恩恵を受けられます。

証券会社で働くデメリット

さあいよいよデメリットです。

デメリットに入るにあたり書きますが、もし学生時代に戻り新卒採用に臨めるのであれば

証券会社は選びません

もちろん働けることの感謝や会社で学ぶという事ではよかったです。

ただあまりオススメはできません。

「なぜそう言えるのか?」という視点から読んでみてください。

“詰められる”ことのストレス

基本的に会社には”詰められる”ために行っていると思っていました。

詰めるとは

猛烈にキレ散らかされる

ことです。

自分が証券会社を勧めない大きな理由は、この詰めが半端じゃないことです。

上司や先輩が何かスイッチが入ったようにむちゃくちゃ怒ってきます。

支店長辺りは詰めることが仕事であり生きがいです。

学生上がりのへらへらした自分みたいなやつが初めて人が人を詰める光景を見ると、

「来るとこ間違えた…」

って本気で思います。

入社後すぐの研修で人事の人がとりあえずキレます。

毎時間キレます。

研修が終わってようやく支店配属になったら、支店長あたりが研修の人事部以上にキレてます。

大学では「発言しないと価値がない」と教わってきたため、自分の意見を堂々と言うと

「うるせえな。いいから(数字)やれ。」

と言われ、ここでは発言権と人権がないことを認識します。

先月までよく詰められていた先輩が前の週あたりから急に来なくなり、朝礼で

「えー、○○さんは今月末をもって退職となりましたのでご報告致します。」

とその一言のみで終わり、その先輩が過去にこの支店にいたことはほぼない事にされ、全員が普段通りの業務についていきます。

ちなみに自分が退職する2年間の間で10人くらいの先輩たち(1人課長)が辞めていきましたが、次の転職先を見つけて自ら退職の挨拶をした人は自分含めて2人だけでした。

あとの方々は急にいなくなりました。

みんなストレスでやられちゃうんだなあ、と思いました。

残っている人はネジが少し外れた人か、30代半ばになり次の所に行くには難しい人が多いと思います。

給料がそこそこ高いので結婚して子供がいらっしゃる方もなかなかやめずらいのかと思います。

辞める当日支店長は「今日たくくん、最終日です!お疲れ様!」って全員に向かって言ってくれましたが、エレベーターまで送り出してくれた一人の偉いさんはすごい不機嫌そうな顔で、

「次はすぐ辞めんじゃねえぞ」

って吐き捨ててきました。

もちろん送別会なんてないので、そのまま地下鉄乗って寮に帰った気がします。

もっと書きたい事ありますが、膨大になってしまうのでまたの機会に細かく書きたいと思います。(興味があったらコメントしてください。返信いたします。)

自分が勧めたい商品を自由に販売できない

他の会社は知りませんが、僕の勤めていた会社は毎月推奨商品というのがありました。

株・投信・債券それぞれ推奨があり、基本的にはそれの販売のみを頑張るという感じです。

なのでそれぞれの商品を担当する課長がトークスクリプトを用意し、全員がそれを基本として販売していきます。

特にしんどかったのは、人気のない新規株と債券の販売です。

投資商品は利益が出るか損になるかはその商品を持ってみないと分からないので、うそをついて販売するようなことは一切ありません。

ただマーケットでの人気だったり、債券であれば利回りの大小がが売れる売れないに左右するので大変でした。

期待の大きい商品は売りやすいですし、そうでないものは売りづらいので必死にいい所を探して売る。

証券会社はそういった発行体から「これ売ってね、よろしくね。」と言われているので、どうしても売らないといけません。

どれだけ自分がほかの商品がいいと思っても、基本的には会社や支店が推す商品を販売する事になります。

次第に

「これ別に自分がやらなくても良いな。」

と思い始め、もっと自分の興味がある事は何か探し出します。

結果良い転職に繋がります。

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クリエイティブではない

何か時代に沿った新しいものを…という企業文化ではないので、仕事も淡々と同じことの繰り返しで飽きてしまいます。

特に支店の業務は上記したような販売を永遠にやることです。

インストラクターになったり、課長になったりとステップアップはありますが、何かを新しく形作るわけではなく会社の枠に沿ったお仕事になります。

本社に行くチャンスもありますがガチャです。

特に営業成績いい人は支店が手放したくないので、同じ支店に5年とかもざらです。

(そういえばこの前新宿支店から愛媛支店に友人が飛ばされていた…)

毎日数字を出しても次の日には全部消されて真っ白になる白版を見て

「なんかすごい虚しい…」

ってよく思っていました。

上にも書いたように、この仕事は自分じゃなくてもできるから、自分は自分が好きな仕事探そう、って思い出します。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

自分の体験をバーッと書かせていただきました。

稚拙な文章でしたが、少しでもリアルが伝われば幸いです。

不明点やもっと聞きたい事があればコメント欄からよろしくお願いします。

僕でよければ何でもお答え致します。

どんな仕事も簡単なものはないと思います。

「自分は何が好きか」「自分の能力がいかせる場所はどこか」

そんなことを考えられたらいいですね。