
「コロナの治療薬・ワクチンを作っている会社はどこ?」
コロナウイルスの感染拡大は衰えを見せず、日本中だけではなく世界中で治療薬開発が期待されています。
一刻も早く世界に平和が訪れることを期待する事と、投資家であればこの機会にコロナウイルスの治療薬を開発してくれている会社に投資し応援したいところです。
実際僕もコロナウイルスの治療薬の進捗を調べてみることで安心できる部分、「もっと危機感を持たないと」と思う部分様々な思いがありました。ぜひ皆さんの助けになれば幸いです。
☑こんな方々に読んでもらいたいです
- いまコロナウイルスの治療薬を開発中の会社やその進捗が知りたい。
- 薬の研究開発段階がどんな工程か知りたい。
- コロナ治療薬開発で株価が上がりそうな銘柄を知りたい。
コロナの治療法・ワクチン開発状況が分かる一覧表がリリースされた
コロナウイルスの情報集をする中で先日、海外・国内のベンチャー系情報サイト『TECHABLE』にこんな記事が掲載されていました。

記事によると、
Milkenによる一覧表には、58の治療法と43のワクチンの開発プロジェクトの概要が記載されている。開発元やFDA(アメリカ食品医薬品局)承認の有無、開発ステージやソースなどが一覧で確認できる形式だ。 …
(引用元: https://techable.jp/archives/119937 )
とのこと。
Milken Instituteは1991年に創設され、現在世界の6つの場所にオフィスがある(アジアはシンガポールに一拠点)非営利団体だそうです。 金融、社会高齢化、公共衛生などの研究やイベントを催すことをメインにしているようです。
そしてそのMilken InstituteがリリースしたリストのHPがこちら

上記Milken Instituteからの紹介文の翻訳です。
Milken Instituteは現在COVID-19の治療法やワクチンの開発状況を追っています。
この資料は、正当性が担保された情報源を元に、広く一般的に使える情報をまとめたものです。何か一つの治療法や対処法が保証されているというものではなく、現在開発中の治療法やワクチンを単純にリスト化したものです。
現在の公共衛生事情の緊急性から考えると、皆さんがこういった形式でデータ/情報にアクセスできることが重要だと思っています。
この概要的なリストは新しい発見があればアップデートされますので、皆さんが定期的にこの資料を見てくれると嬉しいです。
(引用元: https://milkeninstitute.org/covid-19-tracker )

具体的に個別の会社の進捗状況を深堀するというより、現在開発中の治療法/ワクチンの状況を広くリストアップしているよ、という感じです。こうやってまとめておくと皆ながみれるから便利かなと思ってます、みたいな。円グラフに関して言うと、VACCINES(ワクチン)は感染前の予防観点、TREATMENTS(治療法)は感染後の対処法に当たり、大きくその二種類に分けられています。グラフもあってぱっと見分かりやすいです。
そしてそのHPの中に展開されている、各開発状況が掲載されたリストがこちら( 『COVID-19 Treatment and Vaccine Tracker』)

(こんな感じのリストが3月の段階で11ページあります。一つ一つの単語の意味は難しくないですが、英語が全く分からない方はおそらく即ページ閉じると思います。。。)
でもこの資料があることで僕らは
「もう少しで治療薬ができるかもしれない!!」
「この企業のワクチン開発が進捗しており、株価に影響があるかもしれない!!」
と分かるかもしれません。
そこで、重要そうで且つ皆さんが興味ありそうかなと思う部分を少し説明していきます。
頻繁に出てくるワード
- Type of product-treatment = 製品の名前、どの対処法なのか
- FDA approved indications = FDAの承認有無欄 (N/A = Not Applicable = 承認なし /Unknown = 分からない / approved = 承認あり)
- Developer/Researcher = 開発元/研究所
- Current stage of development = 現在の開発状況 (※clinical = 臨床中 /pre-clinical = 臨床前)
- Anticipated next steps timing = 予想される次の開発進行時期
FDAはアメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)の訳で、 食品や医薬品、化粧品など広く人間等が摂取/使用するものの検査、承認審査、違反品の取り締まりをする行政機関です。
FDAと医薬品の関係を簡単に言うと
FDAに承認される = 国からお墨付きをもらえる
という事で大きな注目を集めることができます。
特に世界が欲しているコロナウイルスの対処法としてであれば、注目はより大きくなります。(※後半で説明しますが、「注目を集める=必ず株価が上がる」 わけでもないのであしからず。)
(※)ちなみにFDAのHPを見ると薬の開発手順は以下の5つのSTEPに分けられているようです。画像の下に英訳入れておきます。


STEP1 発見と発展:新しい薬の研究が研究室で始まった段階
STEP2 臨床試験前の研究:安全性の基本的なテストをするための研究室や動物での実験段階
STEP3 臨床研究:安全性と効果を人間を使って確かめる実験段階
STEP4 FDAからの評価:その薬に関するすべての評価をし、FDAが承認するか否かの段階
STEP5 市販前のFDAによる安全性モニタリング
(引用元: https://www.fda.gov/patients/learn-about-drug-and-device-approvals/drug-development-process )
なので
PreclinicalはSTEP2
ClinicalはSTEP3
FDAからの承認済はSTEP4をパスしてSTEP5に入っている
と考えてもらえればよさそうです。(違っていたら指摘ください!!)
コロナウイルス治療薬関連で株価上昇が期待できる銘柄
ずばりこの膨大な資料の中から株価が(今後も)上がりそうな企業をあげてみました。すでに投資家の皆さんには聞きなじみがある会社ばかりだとは思いますが、おさらいと思ってみてくれたら嬉しいです。
【富士フィルム:アビガン】

国内企業の富士フィルム。グループ企業の富士フィルム富山化学が持つ「アビガン(正式名称:ファビピラビル)」がすでにClinical(= STEP3)のステータスです。アビガンはもともと抗インフルエンザ薬ですが、今年の2月から新型コロナ治療の薬として患者に投与されている。中国で行われたこの投与に効果があったと中国の研究所の声があり、3月31日から日本でも臨床試験を始めるそうです。
参考資料:日経新聞『富士フィルム、アビガンの企業治験へ 31日から新型コロナ向け』

【Regeneron(リジェネロン):ケブザラ】


アメリカ企業のリジェネロン。(この画像の内容はよく読み取れませんでした。が)コロナウイルスのワクチン開発として二つ出していますが、フランスのサノフィという会社と研究中の「ケブザラ」が進捗しているようです。ケブザラは元はリウマチに効く薬として利用されています。参考資料のロイターの記事によると、有力な抗体を2つ発見しそれを混ぜたものを4月中旬までに生産、初夏までに臨床試験を開始し、夏の終わりまでには月20万セットの生産をする予定とのことです。ちなみにこのリジェネロンは昨年のエボラ出血熱の治療薬研究を積極的に行い、一定の効果を出した会社のようです。比較的期待されている会社の1つです。
参考資料:ロイター通信『米製薬リジェネロン 初夏までに新型コロナ抗体の治験開始へ』

【Gilead(ギリアドサイエンシズ):レムデシビル】


言わずと知れたアメリカの製薬企業大手ギリアド。ギリアドはコロナウイルス用に二つの薬を研究中ですが、有力なのは「レムデシビル」です。中国での臨床試験結果が4月中に、アメリカでも5月中に一定の結果がでるとのことです。現状このレムデシビルがコロナウイルス治療薬レースの最前線を走っているとも言われています。もともとはこのレムデシビルもエボラ出血熱用につくられた薬です。
【2020年5月13日追記】
5月1日にレムデシビルは新型コロナ治療薬として初めてFDAにより緊急使用許可がおりました。
(参考資料:薬事日報「【米FDA】レムデシビルを緊急使用可-新型コロナ治療薬で初承認」)

【Moderna(モデルナ):mRNA1273】

上記したギリアドのレムデシビルよりも高い期待を寄せられているのがモデルナのコロナ用治療薬「mRNA1273」。2018年12月に上場したばかりのボストンのこの企業は、最も早くコロナウイルス向け治療薬の臨床試験段階にすでに到達しています。従来のペースでは本格展開させるためにここからさらに12~18か月を要するのだが、今回のような緊急事態に関しては特例が認められるようで、モデルナはこのFDAからの特別な許可がもらえそうとのことです。早ければ2020年の秋に医療スタッフ向けにワクチン提供されるとのことです。
(参考資料:Tech Crunch Japan 『臨床試験中の新型コロナワクチンは早ければ今秋にも提供か』)


これだけだとちょっと面白くないので、他の会社も見てみました。しかし以下の会社は調べた限り日本の証券会社で購入できない(?)企業です。なので興味本位で読んでみてください。
【Celltrion(セルトリオン)】

Celltrionは韓国の製薬企業です。モデルナと同じように通常の認可スピードよりも速く特別な許可をもらえそうな企業のようです。3月末までに人体での臨床試験の候補者を選び、4月末までに最も効果的な抗体(?)を探し出し、半年後には人体での臨床試験をしたいという考えです。
(参考資料:Korean Herald『Celltrion pledges clinical trial of coronavirus treatment in 6months』)

【CytoDyn(サイトダイン):Leronlimab(PRO140)】

Leronlimabという治療薬を提供するCytoDyn。3月30日に10人目の人体への投与がなされたとのこと。この薬の面白いところは、「サイトカインストーム」と呼ばれる免疫の暴走を緩和する効果が現在見られているところです。コロナウイルスによって肺に異常が引き起こされると、体内で発せられる物質(サイトカイン)が異常が起きた部位に大量に送り込まれてしまい、健康な組織まで壊滅させてしまうという事のようです。
もしかしてCytoDynっていう社名はcytokine(サイトカイン)を文字ってる??cytokineをdyingさせるって意味??..
めちゃくちゃ興味深い…
買えたら絶対買うのに!!!
(参考資料:CytoDyn社プレスリリース『Thress additional patients with severe COVID-19 treated with Leronlimab in New York medical center bringing the total 10 patients』)
以下、サイトカインストームの説明引用です。
サイトカインとは、免疫系が警告を出すために産生する物質で、免疫細胞を召集して感染箇所を攻撃するよう働きかける。指示を受けた免疫細胞は、体の他の部分を救うために感染した組織を死滅させる。
人の体を外敵から守っている免疫系だが、体内で暴れ始めたコロナウイルスのせいで、大量のサイトカインを肺へやみくもに送り込んでしまい、大混乱を引き起こす。「銃でターゲットを撃つのではなく、ミサイルを撃ち込むようなものです」と、ラスムセン氏は説明する。すると、感染した細胞だけでなく、健康な組織までも破壊してしまう。
こうした大混乱は、肺にとどまらない。サイトカインは血液によって全身に運ばれ、複数の臓器で問題を引き起こす。これがサイトカインストームだ。
(引用元: https://style.nikkei.com/article/DGXMZO55908430R20C20A2000000/?page=2 )

まとめ
いかがだったでしょうか。
世界中で猛威を振るうCOVID-19ですが、この一瞬一瞬も世界では新しい治療研究を開発してくれている方々がいることにとても感動しましたし、感謝したいと思いました。
個人的には最後に紹介したCytoDynがどの証券会社で購入できるのか調べる宿題を自分に課したいと思います。
FDAに承認されたからといって必ずしも株価が上昇するわけではありませんが、(Dr.医療株さんのブログ『2020年に承認される可能性のある、画期的治療薬指定を受けている7つの医薬品』を参照ください)これだけ世界の人々を救う可能性があるので、ぜひ投資してみたいですね。
世界でコロナウイルスが一日も早く収束することを願いながら、こういった企業/株式を調べてみてください。
そして
良い株があればぜひ教えてください!!
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